なぜ日本人は英語が苦手なのか?【はい、ちゃんと理由があります】
こんにちは、NOBLOGのノブです。
「日本人は英語が下手すぎる」
日本人と英語の話題になると必ずと顔を出すこのフレーズ。
確かに日本人は英語が苦手です。
がしかしそのことに対し全くネガティヴになる必要はないですし、むしろ胸を張って良いくらいだと僕は思います。
今日は「日本人が英語が苦手な理由」と「英語が苦手なことは悪いことじゃないんだ」というお話をしたいと思います。
この記事を読むと以下のことがわかります。
そもそも本当に日本人は英語が苦手なのか
2021年に行われた、EF EPIによる「世界最大の英語能力指数ランキング」によると、対象の112ヵ国中78位。
能力レベルは「低い」という結果です。
半分より下に位置しており、日本より下位の国はいわゆる「後進国」ばかり。
経済規模も教育レベルも日本より遥かに下回ります。
そしてこのランキングにおいて日本は先進国最下位でもあります。
先進国であり、教育レベルも高いはずの日本がなぜこんなに低い順位なのか?
それを考える前に、まずは上位に位置する国はどんな国なのか見ていきましょう。
英語力世界TOP5はどんな国か
世界TOP5はこんな感じ。
- オランダ
- オーストリア
- デンマーク
- シンガポール
- ノルウェー
まあシンガポールが英語がうまいのは当たり前でしょう。
マレー語、中国語と並んで英語が母国語ですからね。
そのほかのオランダ、オーストリア、デンマーク、ノルウェーはどうでしょう?
実は彼らが英語が上手なのにもちゃんとした理由があります。
シンガポールを除くオランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、オーストリアの公用語であるドイツ語は、元をたどれば1つの同じ言語です。
これを「ゲルマン祖語」といいます。
要は彼らの母国語はみんな英語の親戚なわけです。
▼イメージ
そう考えるとこの3カ国の英語力が高いのも正直驚きはないですよね。
日本人が英語を勉強するより、ずーーーっと簡単に英語をマスターすることができるはずです。
日本人が韓国語を学ぶ、あるいは韓国人が日本語を学ぶくらいの感覚だと思います。
日本人が英語を苦手とする理由
その上でなぜ日本人が英語が苦手なのか見ていきましょう。
理由①:日本語と英語は親戚じゃないから
では、日本語の親戚は?
日本語は「アルタイ諸語」の1つと言われ、その仲間に、朝鮮語、テュルク語、モンゴル語などがあります。
日本人とって韓国語やモンゴル語を学ぶことは英語を学ぶよりずっと簡単です。
しかし、単語や文法、発音に共通点のない言語を学ぶのは容易なことではないのです。
日本人が英語が苦手な理由の1つはこれ、日本語と英語は親戚じゃないからです。
理由②:日本では英語を必要としないから
日本では英語が話せなくて生活に困ることは今現時点で皆無だと言えます。
が、フィリピンや、インド、シンガポールではそうもいきません。
これらの国々は、英国や米国に国を統治された経験があり、英語が公用語となっています。
フィリピンの学校教育は、小学校から国語と歴史の授業以外は英語で行われるケースがほとんどです。
街の看板や広告、選挙ポスターなど、目に入るほとんどは英語で表記されています。
映画館でアメリカの映画を見ようと思えば、「吹き替えなし・字幕なし」ものばかりです。
日本は日本語だけで生活ができる
日本でそんな状況考えられますか?
ありえませんよね。
日本では、母国語の日本語のコンテンツが十分にあります。
書籍も映画もすぐに日本語に翻訳され、日本語だけでハイレベルな教育を受けることができます。
日本語だけで生活できるのは教育力、経済力、技術力をあわせた日本の国力が高いから、なのです。
理由③:日本語のパワーが英語に負けなかったから
日本は戦後GHQの統治下になる際、漢字を廃止し、ローマ字化するか否かの議論が行われたと言われています。
しかし当時の日本人の識字率は100%近くありました。
漢字を廃止にすることで、戦後の混乱を増幅させるだけだとし、漢字がそのまま使われることになった経緯があります。
(参考:GHQだけではなかった「漢字廃止論」 いま、漢字を使い続ける意味を考える)
(写真:ダグラス・マッカーサー)
ローマ字化することで、同じアルファベットである英単語がもっと容易に入り込んでいたでしょう。
日本語から英語に置き換わっていくフレーズもあったでしょう。
高い教育水準のおかげで、何千年と繋いできた「自分たちの言語」を失わずにすんだのです。
これも先人たちが積み重ねてきた日本語の教育があったからこそです。
なぜ日本人は英語が苦手なのか?のまとめ
日本人が英語が話せないのにはちゃんとした理由があります。
- 日本語と英語は親戚じゃないから
- 日本では英語を話す必要がないから
- 戦後の日本の識字率が高かったから
結果だけを見て、ひとまとめに「日本人は英語が下手だ」と自虐的になる必要はありません。
むしろ英語ができないこと、日本語だけで生活できることにもっと誇りを持つべきです。
外国人が日本に来て「日本人は英語が話せない」と言われても、「当たり前でしょ、ここは日本なんだから」というくらいの気持ちで良いんです。
だって日本という国の、日本語という言語の力が英語に負けてない証拠ですから。